名古屋港木材倉庫株式会社
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限りある木質資源。
丸太を長期保管でき、樹脂などを除去することで乾燥が早くなる。
そんな「水面貯木」を利用しませんか。
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上質な丸太が手に入るのは「秋~冬」
高級木材や用途の幅が広い広葉樹の入手時期は、秋から冬に限定される。
夏に伐採すると虫害が多く、含水率も高いので質が良くない。
丸太の長期保管はひび割れするリスクが高い
注文が入る時期には、夏も冬も関係がない。
冬に買った丸太を夏に受注して加工する場合、半年以上の期間が空くので割れが入る可能性が高まる。
夏に良い丸太を加工することをあきらめていた
丸太を長期保管する場合のリスクから、夏に良い丸太を加工する発想がなくなっている。
良い丸太の加工を依頼するお客様には、夏期の加工を避けるように提案するのが当たり前。
水面下で丸太を保管することで、劣化の予防だけでなく品質の向上も見込めます。
水の力で丸太を純化した「水純木材」で保管のお悩みを解消するのが「水面貯木」です。
木材保管の重大な課題は、急激に水分が抜けて発生する乾燥によるひび割れです。
水面貯木の場合、水に浸っている部分は急激な乾燥が起きず、ひび割れが入りません。空気に直接触れないことで、数年単位の保管でもその状態を維持できます。
大事な丸太こそあえて水につける、驚きの保管方法です。
木は地面から栄養を得て成長していく生き物です。
通常、丸太を保管しているだけでは長年蓄積された余計な成分が抜けません。
水面下で保管することで、樹脂などが抜けることが確認された研究結果があります。
こうして水の力で純化した丸太が「水純木材」です。
また、水中に保管した丸太から製材した木材と、無処理の木材の乾燥時間を比較した実験があります。その結果は、水中で保管した木材の方が早く乾燥したという意外なものです。
(※下記「研究結果の引用」をご参照ください)
「冬に市場に出る上質な丸太は、いつ使えるか決まっていないため購入を見送る」
「良い丸太を夏に使いたいのに、保管期間が長くなるリスクがあり使えない」
このような悩みを水面貯木で解消すれば、みなさまにとって大切な丸太の選択と製品作りに注力することができます。
長期保管が可能になるということは、保有できる丸太のラインナップを増やし受注選択の幅を広げることが可能です。ひび割れを気にして、良い丸太の購入を見送ることもなくなります。
さらに、製品作りのスケジュールをお客様のご要望に合わせやすくなることで、丸太保管のストレス軽減に役立つはずです。
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インタビュー: 天龍木材株式会社 名古屋支店 三輪長志 様
Q.水面貯木の魅力は何でしょうか?
一番の魅力は、貴重な丸太を長期間劣化を抑えて必要な時まで保管できるところです。
弊社では多くの高級木材を取り扱っています。その需要先である重要文化財の改修工事などは、計画から見積もり、工事着工まで時間がかかるものがほとんどです。
いつ丸太が必要となるのかわからず、かといって丸太を欲しくなってから探してもいつ手に入るかわかりません。そこで、高級材を長年に渡って買い集めラインナップを増やしています。
本当に質の良い丸太はわずかです。すぐに手に入るわけでもありません。良い丸太との出会いは一期一会だと言えます。
然るべき時まで品質良く保管しておきたいのです。
Q.長期保管が出来ると何が良いのですか?
多数の木材を用意できるので、お客様のニーズや予算に合わせて商品を選んでいただけることです。
丸太は産地、樹種、サイズ、品質による等級分けで種類は多岐にわたります。それを名古屋港に集約することで、お客様は現物を見て選ぶことができます。お客様は全国各地へ探しに行く手間が省けて大変便利です。
また、市場から木材がなくなったウッドショックの時に、水面貯木の良さを再認識できました。水面貯木場にはたくさんの丸太が品質良く保管されていたので非常に重宝されたからです。
Q.その他の魅力は何でしょうか?
水面に浮かんだ丸太を、重機を使わず人の力でくるくる回すことがきます。傷をつけずに検品をして、「アテ」(※特殊な性質を持つ部位)を見つけることができるのが魅力です。
丸太は断面が丸くてもアテの部分は重たいので、重心が傾き水面で下に沈みます。それでアテがあるかどうか判断できます。陸上ではできないことです。
水面で検品した丸太は自信を持ってお客様にご紹介できます。
また、名古屋港では水面貯木場を中心に、荷役会社や製材工場、丸太運送業者などそれぞれがプロの技術力を持っており一つのチームとして機能しています。単独の力では水面貯木の魅力を発揮できません。
このエコシステムがしっかり機能しているところも、名古屋港の水面貯木の魅力です。
Q.水面貯木のデメリットはなんですか?
仕分けに時間が掛かることです。1本ずつ丁寧に行うので、時間に加えてコストも掛かります。
その代わり、高級木材の付加価値を高めることができるので、十分対応できています。
Q今後の展望は?
これからは本物志向と安物志向へ二極化されると思います。
ここにきてようやく水面貯木の差別化が出来るようになってきました。
多くの方が本物志向になり水面貯木の良さを知ってもらいたいと思います。
天龍木材株式会社では名古屋港に主力のアラスカ材の他、各種良材丸太を取り揃えております。ラインナップ豊富な天龍木材の丸太をぜひ見にお越しください!
お客様の課題をお伺いし、ご興味をお持ちいただいた内容を詳しくご説明します。
お客様のご希望に合わせてお見積りを行います。
ご納得いただいた上でご契約を交わします。
丸太保管に関わる準備と、適切な保管環境の維持はお任せください。
ご希望のスケジュールに合わせて木材を出荷可能です。
- どのくらい費用がかかりますか?
-
お客様のご希望をお伺いして、個別にお見積りを致します。
「水面貯木」は丸太の上部が空気に触れます。
一方、丸太を沈めて全面を水で覆う「水中貯木」という保管方法もご提案可能です。
「水面貯木」よりも「水中貯木」の方が費用は高くなります。
詳細はお問い合わせください。 - 保管する丸太のサイズに制限はありますか?
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これまで、ほとんどのサイズの丸太を問題なく保管してます。
弊社の保有する35トンクレーンで持てない重さの丸太はお受けすることができません。 - 水面貯木することによるリスクはありますか?
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リスクはゼロではありません。
きれいな海で丸太を数年かけて保管すると、フナクイムシの食害に遭う場合があります。
また、数年保管すると丸太の断面に貝が付着する「アオ」が入ることがあります。
なお、弊社の水面貯木場ではこれまで食害が発生したことはありません。 - 水面貯木場の倉庫会社は他にもありますか?
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現在、まとまった数量の取り扱いがあるのは日本全国で名古屋港木材倉庫だけです。
戦後、丸太を一時的に集積する土場での作業が、重機の開発により効率化されました。
その結果、名古屋港を除き全国各地の水面貯木場はなくなってしまったようです。
倉庫会社ではありませんが、伊勢神宮では古来より式年遷宮に利用する丸太を全て水面保管しています。 - 製材工場を紹介してもらうことはできますか?
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もちろん可能です。
水面貯木場は、多くの協力会社様や自治体、各種団体様に支えられて発展してきました。
木材に関わるすべてのお困りごとを解決するお手伝いをします。
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水面で丸太の上に乗り作業をする人を「筏師(いかだし)」と呼びます。
名古屋における筏師の文化は、江戸時代の1610年、名古屋城築城のための運河として福島正則が堀川を整備した頃から確認できます。
堀川ができて以来、木曽や飛騨地方から名古屋まで数多くの木材が運ばれ、筏師が活躍するようになりました。
大正12年(1923年)に名古屋港木材倉庫株式会社の前身である加福土地株式会社が誕生。
幾度にもわたる戦争や伊勢湾台風、オイルショックといった危機を乗り越え、水面貯木と筏事業を継続しています。
現在も変わらず筏師の職人技を継承し、2023年に創立100周年を迎えることができました。
過去には日本全国の港に水面貯木場がありました。
しかし次々と廃業してしまい、今では名古屋港木材倉庫しか残っていません。
弊社の誇る筏師は、長い棒状の「さおかぎ」を巧みに操ることから「名古屋港筏師一本乗り」として、名古屋市の指定文化財(無形民俗文化財)に登録されています。
このように、貴重な水面貯木事業と筏師の文化を守ることはわたしたちの使命の一つです。
日本で唯一残った水面貯木場を後世に受け継ぐため、新たなご利用者様を探しています。
高級木材や高品質な丸太を、より魅力的で付加価値の高いものにしてみませんか。
お問い合わせをお待ちしております。
名古屋港木材倉庫株式会社
木材事業部担当 執行役員 野間隆宏
撮影協力 │ 出水伯明 様、林裕之 様